離婚後、こどもを監護する親の中で養育費をきちんと貰っているのは、主に母子世帯で約2割という結果が厚生労働省の調査でわかっています。
同調査では、そもそも養育費の取り決めをしていないという方が約5割という事もわかっており、そのほとんどが「相手と関わりたくない」という理由からでした。
未払い発生時、督促のために連絡したくない・・・
こうして徐々にあきらめてしまう方が多いようです。
こどものための養育費、このままでいいのでしょうか?
こうした未払い対策となる養育費保証、どのような制度なのか確認してみましょう。
まずは養育費に関する取り決めを書面に残しましょう
養育費に関する取り決めを書面に残す重要性について
養育費を支払う方に自覚を持ってもらいたい、後の言った言わないといった揉め事を回避したい、滞納が発生した場合に強制執行をスムーズに行えるようにしたい、など、それぞれの目的に合わせた書類を作成して形に残しておけば、万が一のトラブル発生時に役に立つことが期待されます。
書類の種類については次項でご紹介しますが、面倒くさい・相手と関わりたくない、という方は専門家(弁護士・行政書士など)に相談してみましょう。
養育費保証制度に加入するには、養育費に関する取り決めを記載した書類が必要になります。
保証制度への加入に関わらず、最初に頑張って書類を作成しておけば今後有益となることでしょう。
養育費に関する取り決めを記載している書類について
- 離婚協議書、離婚合意書
- 夫婦間で作成しても、法律の専門家が作成してもよい。
内容が守られなくても履行を強制する効力はない。
- 夫婦間で作成しても、法律の専門家が作成してもよい。
- 公正証書
- 公証人が作成するもので、離婚協議書より証明力があり、養育費の未払いが発生した際は裁判の手続き無く給与差押などの強制執行(範囲は金銭債務のみ)を行うことができる。
- 調停調書
- 家庭裁判所が離婚調停成立の際に作成するもので、養育費の未払いが発生した際は裁判の手続き無く給与差押などの強制執行(範囲は調書で定められた権利義務全て)を行うことができる。
保証の内容
- 月額養育費と毎年特定の月または時期に加算して支払う一時金
(保証の上限は最大12か月分) - 将来の養育費に関する給与差押等の法的サポートと手続き費用
※保証加入の際は支払う方の審査があるため、ご期待に添えない場合もあります。
プランについて
保証プランA ~支払う方の協力有り~
保証の加入に対して養育費を支払う方から協力を得ることができるので、更新保証料を安くしたい方向けのプラン。
毎月の養育費は、保証会社が支払う方から口座引落しをし、受け取る方の口座へ送金します。
口座引落しができなくても立替えて送金し、未入金の案内は保証会社が行います。
費用 | 初回保証料 | 月額養育費の100% (一時金がある場合は年間合計一時金を十二分の一にした額と月額養育費を合算した額の100%) |
更新保証料 (1年更新) |
月額養育費の30% (一時金がある場合は年間合計一時金を十二分の一にした額と月額養育費を合算した額の30%) |
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送金手数料 | 500円/月 (毎月保証会社から養育費を送金するため) |
保証プランN ~支払う方の協力無し~
保証の加入に対して養育費を支払う方からの協力を得ることができず、書類の準備などで支払う方にも負担をかけたくない方向けのプラン。
※支払う方には保証が開始された旨の通知が送られます。
毎月の養育費は通常どおり支払う方から受け取り、未払いが発生したら保証会社へ立替請求をした後、送金されます。
その際の未入金の案内は保証会社が行います。
費用 | 初回保証料 | 月額養育費の100% (一時金がある場合は年間合計一時金を十二分の一にした額と月額養育費を合算した額の100%) |
更新保証料 (1年更新) |
月額養育費の50% (一時金がある場合は年間合計一時金を十二分の一にした額と月額養育費を合算した額の50%) |
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送金手数料 | 250円 (立替え発生時のみ) |
加入のメリット
受け取る方
- 最大12か月分立替え払いしてもらえる
- 未払いが発生しても督促の連絡をしなくて済む
- 将来の養育費(給与差押手続きなど)裁判に費用や手間をかけなくて済む
- 当事者間でのやり取りをしなくて済む
支払う方
- うっかり支払い忘れでのトラブルを予防できる
- 当事者間でのやり取りをしなくて済む
- 支払いできない期間に代払いしてもらえる
- 急な差押などのリスクを回避できる
加入のタイミング
これから離婚を予定していて公正証書などの書類を作成中の方、既に公正証書などの書類をお持ちの方がご加入いただけます。
ただし、養育費の取り決めをした書類の締結から3ヶ月以上経過後に保証に加入した方は、初回保証料をお支払いいただいた後から6ヶ月間は免責期間となります。
さいごに
養育費がネックでなかなか離婚に踏み出せない方、養育費の支払いには同意してくれたが本当に支払ってくれるか不安な方、現在支払ってもらっているが将来の安心を手に入れたい方、など色々な用途がありそうです。
何より、養育費が支払われなくても相手に督促をしなくて済むので、精神的な負担を軽減できると思います。
離婚をする際はきちんと書類の取り付けをし、養育費を受け取る方・受け取れ続ける方が増えることを願います。
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