2020.12.07

シングルマザーは賃貸を借りられる?~入居審査やお金の問題について~

小学生の女の子の面倒をみるシングルマザー

離婚後に子どもを連れてシングルマザーになる女性は、新しく住む場所に対して不安を抱くことが多いのではないでしょうか。

特に賃貸物件を借りる必要がある場合などでは、収入面などの制約から生活環境が大きく変わってしまう可能性があるからです。

この記事では、シングルマザーの経済状況を踏まえた上で、賃貸契約入居審査の通し方、物件選びのコツなどについて解説します。


~ この記事の監修 ~

池田FP

株式会社SMILELIFE project
ライフブックアドバイザー(FP) 池田 啓子
フィーオンリーのFPサービスを提供し保険や金融商品の販売をせずにライフプランニング相談業務を行っています。

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1.シングルマザーの賃貸物件の家賃はどれくらいが妥当?

賃貸物件の家賃を計算

シングルマザーの家賃はどれくらいが妥当なのでしょうか?

まずはシングルマザーの経済状況を把握した上で、どのくらいの金額が目安になるのか見ていきましょう。

1-1.シングルマザーの経済状況

厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」によると、シングルマザーの平均的な就労収入は、200万円ほどとされています。ここに手当が加われば約243万円となります。ただ、これでも月収20万円程度であり、とても十分な額とはいえません。

また、シングルマザーは育児に手がかかることも多く職業や雇用形態が限定されてしまい、この収入すら確保できない可能性も高いのが現状です。

支出面では日々の生活費以外にも習い事や衣類、子どものけがや病気による急な出費など、子どものいる家庭ではかかってくるお金も多くなってきます。

後述するものの、このような経済状況の厳しさは、シングルマザーが賃貸契約をする際に影響してきます。賃貸契約では、借主にしっかり家賃を払い続けられるだけの能力があるかチェックされますので、ある程度の経済力を満たしていないと入居審査に落とされてしまいます。低収入のシングルマザーにとって物件選びはハードルの一つとなるといえるでしょう。

1-2.シングルマザーの家賃はどれくらいが妥当?

家賃の目安は月収の3分の1といわれています。先述した、手当を含めたシングルマザーの平均年収が約243万円の場合、月収約20万円なので、6万円以内の物件を探す必要があります。

もちろん、収入がもっと高い人であれば希望する条件に合った物件を探すのもひとつの選択肢ですが、一方で家賃の安い物件を探すほうが有利な場合もあります。

なぜなら、居住している自治体によって条件は異なりますが、シングルマザーが受給できる住宅手当(6.「住宅手当」とは?参照)という制度があり、支給条件として「家賃1万~6万円未満の物件」ということがあります。この場合、収入に余裕がある場合でもあえて家賃6万円未満の物件を探したほうが『住宅手当』制度を活用することができるのです。

ただ、残念ながらこの制度は全ての自治体で適用される制度ではありません。条件や内容も自治体によってさまざまなので、物件を探す際には自治体へ確認をしてみましょう。

2.シングルマザーは賃貸物件の入居審査に通る?

賃貸物件の入居審査に通るか通らないか

そもそも「シングルマザーは賃貸物件の入居審査で無条件に落とされるのではないか」と考えている人もいるでしょう。

しかし、「シングルマザーである」というだけで低く評価されるということはまずありません。重要なのは、離婚歴以外のポイントです。入居審査の基準を満たしてさえいれば、離婚歴があってもなくても賃貸契約を結ぶことができます。

以下、入居審査のポイントについて説明していきます。

2-1.賃貸物件の入居審査のポイント

以下は入居審査でチェックされる主な項目です。

  1. 年収面
  2. 職業面
  3. 勤務先の安定性
  4. 保証人・保証機関の可否
  5. 入居者の人柄や属性
  6. 子どもの年齢

一般的に、借主の年収がはっきりとして、安定した収入を得られる職業であれば、貸主も安心して物件を提供できます。しかしながら、借主の年収がはっきりとしていいても、「仕事や勤務先」についても調べられますので、雇用形態や勤務先の経済状況などが審査に響くことも少なくありません。もちろん、無職では審査に通るのは難しいでしょう。そのほか、連帯保証人の有無や本人の人柄も重要になってきます。

ここまでが一般的な項目で、シングルマザーの場合には、さらに子どもの年齢が審査対象となってきます。

上記1~3のポイントは、総じて「家賃の支払い能力」に集約されます。つまり、貸主や不動産屋さんがもっとも気にしているのは、決められた家賃をずっと支払い続けてくれるかどうかです。

低収入の仕事だと家賃を滞納するリスクが出てしまうので、審査でも落ちやすくなります。また、子どもがいる借主はその人数や年齢も聞かれ、年齢が低いと騒音問題などに繋がるリスクもあるため審査が通りにくく、子どもがある程度自立状態にあると、審査には大きく影響しないといえます。

2-2.シングルマザーの入居審査でハードルになる要素

決してシングルマザーだから家を借りにくい」というわけではありません。事実、ひとりで子どもを育てながら賃貸物件に暮らしている女性はたくさんいます。

ただ、シングルマザーだと支払い能力を厳しくチェックされやすいのも事実です。厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査の概況」によると、女性の平均年収は男性よりも低くなっており、かつシングルマザーの平均年収も低いため、貸主側もその点は細かく追及してきますが、シングルマザー側から年収を証明できるのであれば問題はありません。

子どもの年齢が低いと審査は厳しくなる」という点については、幼い子どもは夜泣きをするなどして、近隣のクレームを招くことがありえるため、ハードルの一つとなります。

連帯保証人」も大きなハードルです。人によってはシングルマザーの連帯保証人になるのを嫌がるので、そういった苦労も発生します。

そもそも連帯保証人になるのは簡単な決断でなく、よほど関係性が深くて安心させられる条件がないのであれば、引き受けてくれる人は少ないと考えた方が良いでしょう。

3.賃貸物件を契約する際の連帯保証人はどうする?

契約時は捺印が必要

前述の通り、賃貸物件を契約する際、連帯保証人を求められることがあります。ただ、連帯保証人は責任重大な役割なので気軽に引き受けてくれる人はいません。どうしても保証人が見つからないときは、専門の保証会社に頼むこともあります。

まずは連帯保証人や保証会社の仕組みを知って、正しい手順でお願いをしましょう。

3-1.そもそも連帯保証人って?

賃貸契約における連帯保証人とは、借主が家賃の未払いや設備破損による弁償などの問題を起こした場合、本人に代わって支払いをする人のことです。言い換えれば、自分が契約したわけでもない物件に対して、借主と同じ支払い義務が生じます。

そのため、友人や恋人であっても、他人の連帯保証人になるのにはためらう人が多く、積極的に引き受けてくれる人はまずいません。一般的には、親族にお願いをするケースが多いです。ただし、簡単なお願いではないので、話を持ちかけるときは相手を慎重に選び、依頼状などを用意して事情を説明したうえで丁寧に頼みましょう。

注意したいのは、審査の際に連帯保証人の支払い能力も問われるという点です。すでに支払い能力を失っている人間は、家賃の保証をできないといえます。たとえば、退職して収入源を失っている高齢の親せきなどは、審査に通らないでしょう。最悪の場合、身内に的確な人物が見当たらないこともありえます。

もし、連帯保証人を頼める相手がいない場合は、保証会社などを検討するのもひとつの方法です。

3-2.保証会社って?いくらかかるの?

保証会社とは、有償で依頼人の連帯保証人になって身元を保証してくれる企業です。不動産屋さんで保証会社を使っているか確認し、物件を申し込んだうえで審査を受け、通過すれば契約成立です。

もしも依頼人が家賃の支払い能力を失ったとき、保証会社が金額を立て替えてくれます。なお、あくまでも立て替えなので、収入の目途が立った際には保証会社に返済をする必要があります。

ちなみに、保証会社の利用料は1年目だと家賃1カ月分程度ですが、2年目以降は安くなる企業もあります。もしもの状況を想定して、保証会社を調べておくのも選択肢のひとつです。

4.シングルマザーの物件の選び方

入居物件を案内する女性

シングルマザーにとって住む環境はとても重要です。大人だけが住むのと、子供と一緒に住むのとでは理想の物件の条件が変わってきます。

大人にとっては何も気にならない環境でも、子供の安全に影響するケースは少なくありません。さまざまな条件を吟味してシングルマザーにぴったりの物件を探していきましょう。

以下、シングルマザー向けの物件の選び方を紹介していきます。

4-1.間取り

子どもが小さければ「1Rや1Kでかまわない」と考える女性は多いでしょう。実際、1Rは無駄なスペースがなく、子どもと一緒に寝るのであれば寝室も問題なく、家賃も安いので住みやすいといえます。

ただ、そもそも1Rの物件は子どもと一緒に暮らすことを想定しておらず、単身向けに作られているため、入居ができないケースが少なくありません。

そこで、小学生以下の子どもなら1DK、中学生以上なら2DKを目安にして部屋を探してみましょう。子どもが大きい場合は自分の部屋を与えなければならないので、部屋数の多い家が快適です。

まとめると、シングルマザーの大枠の選択肢は「子どもが成長するまでは小さな部屋を借り、中学生になったら大きな部屋に移る」「最初から2DKを借りる」の2択になります。いずれもメリットとデメリットがあり、そのときの経済状況によっても判断は変わってきます。よく考えてから探しましょう。

4-2.安全面や立地など

子どもがいる以上、防犯面」は重要です。人通りが多すぎる場所だと静かに暮らせません。逆に、人が少なすぎると、登下校でトラブルに巻き込まれるリスクも出てきます。適度に人が暮らしているエリアを選んで部屋を借りましょう。

また、交通事故などの可能性を少しでも下げるには子どもの学校や学童から近い場所に家があることも大切なポイントであり、近隣に何らかの学校がある家を借りるのもひとつの方法です。たとえ子どもが通う学校ではなくても、教育機関の周辺は犯罪率が低くなる傾向があることに加え、教員やPTAの目が届きやすい地域であることもメリットのひとつだからです。

そのほか、近所の人もチェックしておくのが得策です。アパートの住民に子持ち家庭が多い場合、赤ちゃんが泣いてしまうなどの騒音に対しても理解があるので近隣トラブルに発展しにくいですし、困ったことが起きても助けを求めやすくなります。家族同士が親しくなれば、育児の悩み相談もしやすくなるでしょう。

5.公営住宅を探してみよう

良い公営住宅のイメージ

シングルマザーが暮らす場所として「公営住宅」もおすすめです。以下では、公営住宅の特徴を解説します。

5-1.公営住宅とは?

低所得者層向けに地方公共団体が建設した賃貸住宅が「公営住宅です。最大のメリットは家賃の低さであり、収入に不安がある人でも入居審査に通りやすいといえます。

また、ファミリー世帯もたくさん住んでいますので、子どもを預けたり預かったりなど、家庭同士で助け合いをしやすい環境にあるのは魅力です。シングルマザーは家を空ける機会が多くなるため、近所に頼れると何かと助かりますし、さらに、子どもが友達を作れる面でも良い環境といえるでしょう。さらに、公営住宅によっては子ども向けのイベントを開催してくれるので、親子で楽しい休日を過ごすことができます。

家賃は、入居世帯の収入などによって異なりますが、公営住宅の中には「減免制度」を設けているところもあります。減免制度」とは、もしも失業するなどして家賃が払えなくなったとき、支払いの負担を軽くしてくれるシステムです。不安定な雇用形態に就いている際の不安が軽減されます。地域によっては、シングルマザー向けの優遇措置があるところもあるので、自治体に確認をしてみましょう。

また、全国に約74万戸あるUR賃貸住宅の中にも公団住宅が含まれます。こちらは都市再生機構という独立行政法人が管理しており、公団住宅と同じく、礼金ナシ・仲介手数料ナシ・更新料ナシ・保証人ナシなのが特徴です。

5-2.公営住宅に住むにはどうすればいい?

いざ住んでみると快適な公営住宅ではあるものの、応募が殺到するのが難点です。

シングルマザーに限らず、公営住宅に住みたいと考えている人は多く、空き枠が出たときは、かなりの倍率で抽選が行われます。それに当たらないと入居できないルールなので、公営住宅は住みたいときにすぐ住める物件とはいえません。

ただし、先述の通り地域によってはシングルマザーを優先的に当選させる仕組みを敷いているなどの優遇措置があります。しかし残念ながら全国的な取り組みではないので、まずは住んでいる市町村の住宅課、住宅支援担当などの窓口に聞いてみましょう。

6.賃貸物件を借りる場合に心強い「住宅手当」とは?

住宅手当を計算する女性

シングルマザーの生活をサポートする仕組みのひとつに住宅手当があります。収入に困っているシングルマザーにとって、住宅手当はかなり心強い助けとなるはずです。

ここからは、住宅手当について紹介していきます。

6-1.どんな制度?対象は?

住宅手当とは、18歳未満もしくは20歳未満の子どもを育てている母子家庭や父子家庭を対象に支給されるお金のことです。生活面のサポートを目的としており、支給されれば家賃の足しにできます。

ただ、住宅手当は法律で定められている制度ではなく、あくまで自治体の活動の一環です。そのため、明確な基準は定まっていません。シングルマザーが住む地域によって、支給額や条件、申請方法は微妙に異なります。最初に自治体へと問い合わせておくと、詳しい支給方法などを確認できます。

<主な条件の一例>

  • 18歳未満もしくは20歳未満の児童を養育している母子家庭もしくは父子家庭
  • 賃貸物件に住んでおり、そこに住民票がある
  • 補助を受ける自治体の管轄エリアに住んでいる
  • 前年度の所得が一定額に満たない
  • 家賃額が6万円以下の賃貸物件に住んでいる
  • 日本国籍または日本の永住資格がある
  • 家賃や住民税を滞納していない
  • 生活保護を受けていない など

6-2.いくらもらえるの?

住宅手当の支給時期は年3回(2月、6月、10月)である場合が大半です。ただ、細かい制度は自治体によって変わるため確認が必要です。

また、1回当たりの支給額もきっちり定められているわけではないものの、おおよそ5,000円~1万円ほどだといえます。都心だとそもそもの生活費が高いので、1万円~5万円ほど支給される場合もあります。

6-3.相談や申請はどこに行けばいい?

住宅手当は自動的に振り込まれるお金ではなく、自分で申請する必要があります。まずは、自治体に条件などを確認しましょう。多くの場合、半年以上同じ住所に住み続けると、住宅手当を申請する権利を得ることができます。

<申請の流れ>

  1. 申請書・必要書類を役所に提出
    (※マイナンバーや所得証明書類などしっかりと揃えましょう)
  2. 通知書と住宅手当の請求書が自宅に届く
  3. 指定期限までに住宅手当の請求書を役所に提出(郵送可)
  4. 支給の時期に合わせて審査書類が自宅に届く
    (※審査書類は生活状況を役所が把握し、支給するのにふさわしい条件が揃っているかを確かめるための書類)
  5. 記入した審査書類と関連資料を役所に提出(郵送可)
    (※母子家庭の家賃補助申請書、建物賃貸借契約書のコピーなど。役所により異なる)

7.シングルマザーが受けられるその他の手当や助成金

手当や助成金の計算シート

家賃手当以外にもシングルマザーの生活を補助する助成金はたくさんあります。以下、主な助成金の例を紹介していきます。

7-1.児童扶養手当

児童扶養手当」とは、母子家庭もしくは父子家庭を対象として国が行う公的支援制度で、18歳になって最初に3月31日を迎えるまでの子どもを養育している人を対象に支給されます。

家庭の格差を防ぎ、子どもが健全に過ごせるよう設けられた制度です。児童扶養手当は年収や子どもの人数によって支給額が決まっています。

【養育者の収入と児童扶養手当支給額】

<子どもが1人の場合>
養育者の収入児童扶養手当支給額
160万円未満全部支給(月額4万3,160円)
160万円~365万円未満一部支給(月額1万180円~4万3,150円)
365万円以上支給なし
※子どもが1人の場合の養育者の児童扶養手当支給額の関係
<子どもが2人の場合>
養育者の収入児童扶養手当支給額
215万7,000円未満全部支給(1人目:月額4万3,160円 2人目:月額1万190円)
215万7,000円~412万5,000円未満一部支給(1人目:月額1万180円~4万3,150円 2人目:月額5,100円~1万180円)
412万5,000円支給なし
※子どもが2人の場合の養育者の児童扶養手当支給額の関係
<子どもが3人以上の場合>
養育者の収入児童扶養手当支給額
子どもの人数による3人目以降1人につき、全部支給は月額6,110円、一部支給は月額3,060円~6,100円
※子どもが3人以上の場合の養育者の児童扶養手当支給額の関係

上記は令和2年4月~令和3年3月の金額であり、支給される金額は、物価の変動をふまえて毎年4月に改定されます。

児童扶養手当の申請先は市区町村の窓口です。申請時は窓口に書類を提出するか、専用システムから手続きを済ませましょう。(郵送不可)

7-2.児童育成手当

児童扶養手当と同じく、18歳になって最初に3月31日を迎えるまでの子どもを養育しているシングルマザー含むひとり親向けの助成金ですが、国ではなく自治体が実施している制度になります。

支給額は子ども1人当たり月額1万3,500円で年3回(6月、10月、2月)支給されます。児童扶養手当より所得制限が緩いのが特徴で、比較的審査に通りやすいのがメリットです。

そのかわり、前年度の年収が規定額より高かった場合、審査には通りません。年収の限度額等条件は自治体によって変わるので、申請前にチェックしましょう。

7-3.児童手当

シングルマザーに限らず、15歳の誕生日後の最初の3月31日までの児童を養育している方が対象となる手当です。かつては「子ども手当」という名称で知られていました。

支給額は年齢によって異なり、0~15歳の子どもを養育している方に対して年3回(6月、10月、2月)支給されます。

<児童手当の支給額>
児童の年齢児童手当の額(1人あたり月額)
3歳未満一律15,000円
3歳以上小学校修了前10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生一律10,000円
※児童手当の支給額

受給するためには市区町村に申請を行う必要があります。子どもが生まれたり、引っ越しをして住所が変わったりした際に、最寄りの役所に申請書を提出しますが、公務員の場合は自身の勤め先が受け付けてくれます。

(参考記事)母子家庭が使える手当や補助ってなに?手当と申請方法を紹介

8.養育費を確実に受け取ることで生活も安定

安定をイメージさせる白い花

シングルマザーが生活を安定させるには、「養育費」があるのとないのでは大きく変わってきます。

離婚によって支払いの義務が生じた場合、元夫は養育費を支払い続けなくてはなりません。ところが、実際には養育費をまったく受け取っていないシングルマザーも多いのです。

確実に支払ってもらうために、まずはしっかりと知識を身につけましょう。ここでは、養育費のシステムについて説明し、最後に正当な養育費をもらう方法について解説します。

8-1.養育費を受け取っていないシングルマザーが多い

子どもが自立するまでの間、生活や教育をサポートするために元配偶者が払うお金を「養育費」と呼びます。離婚すれば夫婦関係は解消されるものの、親子関係は続きます。子どもと一緒に住んでいない元配偶者は家事や教育に関わるのは難しいので、金銭によって援助を行うのです。

すなわち、シングルマザーの家庭に対しては、特別な取り決めがない限り元夫が養育費を支払います。養育費は「毎月これだけ支払う」という取り決めに基づいて徴収されます。養育費の支払いが決まった場合、本来、元夫はその義務を欠かしてはなりません。

ところが、養育費を支払わない元夫もたくさんいるのが現状なのです。厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」によると、取り決めをしたにもかかわらず、養育費を一度も受け取ったことがないシングルマザーは全体の56%になるとのデータもあります。シングルマザーの半分以上は養育費に頼らず、自力で子どもの養育費を工面しているのが実状なのです。

理由はさまざまで、元夫に支払い能力がなかったり、夫婦の関係が完全に悪化していて、やりとりをするのも億劫になっていたりするなどのケースが挙げられます。

8-2.本来、養育費はいくらもらえるものなの?

厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」によると、養育費を受給している人、もしくは受給したことがあるシングルマザーの平均受給額は4万3,482円です。

この額はあくまで平均であり、子どもの人数やシングルマザーの状況などによってはさらに高い額を算出してもらえる可能性があります。

月々4万円という金額は、シングルマザーの生活や子どもの将来に大きく影響する可能性があります。元夫には養育費の支払い義務があり、養育費の請求は権利になりますので、将来的なことを考えてしっかり対応していきましょう。

(参考記事)養育費の相場ってどれくらい?未払いを防止する方法ってあるの?

8-3.養育費をもらうために

前述のように養育費の支払いは義務です。今後の生活にも影響する可能性があるので、シングルマザーは元夫に養育費をしっかり請求しましょう。

そのための対策には、以下のような方法があります。

①離婚時に書面で取り決めをする

まずは離婚時に話し合って養育費についての取り決め内容をはっきりさせます。その上で離婚協議書で養育費を定める方法もありますが、「必ず支払う」という口約束を信用しても、何度かは支払って途中から約束が守られないケースは少なくありません。そうならないよう、たとえ費用がかかったとしても公正証書」を作成しておくと安心です。

公正証書とは、法的な効力を持つ文書です。養育費の場合、執行認諾文言付にしておくことで裁判をしなくても支払われない場合には給与や財産の差し押さえを行うことができます。

公正証書は、公証役場にて公証人の立ち合いの元で作成されますが、内容の正確性を高めるには弁護士や行政書士にチェックしてもらうことも重要です。その場合は別途費用が発生します。

なお、離婚調停など裁判所を通じて離婚をした場合は、「調停調書」「確定判決」などに養育費に関する取り決めが記されますので、公正証書を作成する必要はありません。

また最近、一部の自治体では養育費に関する取り決め書類を作成するための費用を補助していますので、確認をしてみてください。

(参考記事)離婚協議書の作成方法を解説。記載事項やひな形も紹介

②養育費保証サービスを利用する

入念に話し合いを重ね、養育費を支払うよう元夫に約束をさせたり、公正証書を交わしたりしても、あとで覆されるケースは少なくありません。そもそも相手に十分な支払い能力や財産がないのであれば、差し押さえを行うこともできず、シングルマザーは養育費を受け取ることができないのです。

そのリスクを回避するための手段として養育費保証サービスを利用するのも賢明な選択です。養育費保証では、未払い発生時に養育費を立て替えてた上で、元夫への養育費の催促・回収をサービス提供側が行います。

養育費保証サービスを利用することにより、急にお金が入ってこなくなるリスクを避けることができるので、子どもの学費や家賃の支払いといった大きな支払いが近づいていても安心です。さらに、元夫への催促連絡を自分で行う必要性もなくなるので、精神的なストレスからも解放されます。

シングルマザーの中には、元夫について良い感情を抱いていない人も少なくありません。相手に暴力を受けていり、浮気をされたりした過去があると、なおさら話すのも苦痛になりがちです。

養育費保証サービスでは元妻の立場では言いにくい催促もしっかり行い、そのうえ、プライバシーもきっちり保護してくれます。元夫を刺激しないよう、カウンセリング形式の催促になっているのも魅力のひとつです。

利用するためには事前審査がありますが、審査だけなら無料ですので、一度試してみるのも悪くないでしょう。

こちらも一部の自治体では、取り決め書類の作成補助と同様、養育費保証を契約するための初回保証料を補助しています。

急いで離婚届を出す前に。養育費の受け取りは「公正証書+保証」が鉄則
養育費の受け取りに不安があるなら

(参考サイト)養育費保証を契約する際の保証料を補助している自治体一覧

(まとめ)使える制度と権利はどんどん利用して安定した暮らしを

暮らしを安定させて子どもと楽しく過ごそう

シングルマザーが子どもとの健全で安定したな生活を望むなら、住まいやお金などの問題をクリアしなくてはなりません。

辛く苦しく思える場面もあるとは思いますが、今回お伝えした内容も含め、シングルマザー向けの制度やサービスは行政や民間にたくさん設けられていることを知ってください。

シングルマザーになったからといって自動的に支援されるわけではなく、申請は必要になりますが、活用できるものは積極的に活用し少しでも安心した生活を子どもと共に築いていきましょう。


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    3. 当社が取り扱うサービスについての案内
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